最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「仮に暴走を止めたとしても契約をしなければ壱流は死ぬ。元闇姫、貴様はどうするんだ?…答えは聞くまでもない、か」

「姉貴、まさか…」


「私は壱流を助ける。それで壱流と契約をする。…私は壱流が好きだから、だから彼を助けたい」

「いいのか?その先は闇だぞ。吸血鬼の世界は貴様が考えているよりも危険だ。仮に吸血鬼になれたとしても俺様のように別の吸血鬼に…」


「平気。…覚悟ならある。もし、狗遠の話してる吸血鬼に会っても私は簡単に負けたりしない。壱流と一緒ならこの先…永遠の命だって怖くない」

「姉貴……」


「忠告はしたからな。俺様は夢愛を安全な場所に連れて行く。それとお前の仲間の場所はここだ」


狗遠は私に地図の書いた紙を手渡した。


「狗遠、忠告ありがと…貴方のことは全て許せるわけじゃない。でも、今は夢愛ちゃんのことは頼んでいい?」

「当然だろう?夢愛は俺様にとって唯一の家族だから。…死ぬなよ」


狗遠は夢愛を抱きかかえ、姿を消した。

最後に私に声をかけて。
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