最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「壱流―――!」


届く。もうすぐ壱流に。


「あれが狗遠と夢愛を救ったウワサの闇姫センパイ、か。1度でいいから、あれだけの美少女が歪む顔を見てみたい。今日は珍しい物も見れたし、それだけで来たかいがあったっすね。
協力したお礼はいずれ…」


「闇、華…?あ、あああああ!!」

「壱流、しっかりして!」


私は抱きつく。だけど壱流はすごい力で私を振り払おうとする。


それは壱流の意思とは関係なしに。

暴走はまだおさまっていない。


「俺は誰なんだ…?それにお前は、一体…」

「壱流、お願い…思い出して」


忘れようとしないで。…わすれないで。


「闇……か?」

「壱流!?へ、平気なの?」


「いや…頭は割れそうに痛いし、力の制御はできてない。こうしてまともに話せるのも最後のようだ」

「最後って」


「このまま死なせて…く…ッ!?」

「ふざけないで!!」


私は壱流の頬を叩いた。
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