最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「簡単に生きるのを諦めないで!私がどんな思いで貴方を助けたと思ってるの?本当は死にたくないんでしょ?…狗遠から紅い月のこと、全部聞いたわ。だから壱流、私のこと…」

「だめだ!」


「!?」

「それだけはいやだ」


「どう、して?」


運命の人が私じゃないとかそんな理由じゃないのはわかっていた。

壱流が本当に言いたいことは伝わっていた。
それでも、私にはわからなかった。


私はこんなにも壱流のことが好きで…愛しているのにそれでも、駄目なの?


「お前を吸血鬼にしちまったら…闇華は死ななくなる」

「それのなにが駄目だっていうの?」


「吸血鬼は死なない。まわりが今生きてる人間が…お前の友達や家族が死んでもお前はそれでも生きているんだぞ」

「!」


「そんなの…お前に耐えられるのか?」

「耐えられる」


「うそだ!」


嘘なんかついてない。


私は壱流がこの世で一番大切なのに。

そんな彼となら、いつまでも…。
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