最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
☆ ☆ ☆


教室での自己紹介も一通り済んで、今日の学校は終わった。明日からは授業が始まる。


「あね〜き、じゃなかった。
……炎帝さんいます?」

「炎帝っていうと…」


「赤い瞳が特徴的の女の子です」

「あ、あの子ね。
呼んでくるから待っててくれる?」


「はい!」

「炎帝さん。あっちで男子が呼んでるけど」


「え?」


ブンブンと激しく手を振ってる。


幻夢、そこまでしなくても気づいてるから。


「闇華、あの男子ってカレシ?」

「闇華ちゃん、モテるんだね」


「……どっちも違うから。
風夏ちゃん、夢愛ちゃん、また明日ね」


「またねっー!闇華!」

「闇華ちゃん、バイバイ」


私は急いで帰る準備をしてスクール鞄を肩にかけ教室を出た。


「……幻夢」

「お、怒ってますか?」


廊下を歩きながら幻夢に話しかける。


どうして私が名前を呼ぶだけでそんなにビクビクしてるの?

私って、いつも怒ってるイメージ?


「怒ってないわ。ただ彼氏と勘違いされただけ」

「すみませんでした……。僕が姉貴の恋人なんて恐れ多すぎます」


「普段からスキンシップしてる貴方から出る言葉とは思えないわね、それ」

「ハグは別物ですよ!あれは姉貴分を補給してるだけですから。姉貴に触れば元気になって明日も頑張ろうって気になるんです」


「そういうものなの?」

「そういうものなんです」


私に触れただけで元気になるって、私は魔法使いかなにかなの?よくわからないけれど幻夢がそれで頑張れるのなら問題はない、か。
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