最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「…チッ。使えねー奴らだな」

「兄貴、すみません……!」


「いいから下がってろ」

「はい」


高みの見物をしていた男は闇姫の背後をとる。


「っ!?」

「おせーんだよ。
女が男に勝てるわけねぇだろ」


いとも簡単に闇姫の両手を押さえる男。


「よぅ、闇姫。俺様の部下を瞬殺とはいい度胸してんなぁ。…初めましての挨拶にしちゃあ、少しやりすぎな気もするが?」

「……離して。早く彼を助けないと」


「人間のテメーになにが出来るっていうんだ?
大体こんな貧相な体で〝 姫 〟なんて大層いいご身分だな」


男は余ったほうの手で、闇姫の胸をガシッ!と掴む。


ギリギリと乱暴に触れられてるその手は闇姫にとって不快だった。


「いいから離して」


闇姫は男の足を思いっきり踏んだ。


「っ……!てめぇ、よくも」


怒りに狂った男は、闇姫に向かって拳を振り上げる。


「っ!」

「やめろ!」


「……雑魚(ザコ)のくせにまだ意識があったのか」

「私は大丈夫だから貴方は自分の心配をして」


闇姫が少年に近付こうとすると、男に髪を引っ張られ無理やり引き戻された。
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