最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「な、にするの」

「誰が動いていいといった?」


「私は貴方の部下じゃない。
それに意識があるって…彼になにをしたの?」

「答える義理はねぇな。だが、もうじき死ぬコイツのことを思ったら、話してやらないほうが可哀想だもんな」


話す気はさらさらないと言った顔をしながら鼻であざ笑う。


そして、男は闇姫の耳元に顔を近付けた。


紅い月(ブラッドムーン)だ」

「!?」


「お前も名前くらいは聞いたことあるだろ?」

「なんてものを……」


「その殺気いいねぇ、ビリビリくる。
それでこそ俺様の女に相応しい」


俺様の女、という言葉にピクリと反応する闇姫。


「貴方の女になるなんて、こっちから願い下げ」

「いい加減、俺様に従順な女も飽きてきたとこだ。俺様のことを嫌う女が俺様の虜になったらどんなに愉悦か……今から楽しみだ」


その瞬間、男の目が赤い瞳へと変わる。
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