最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「アンタの助けは必要ない。どうせ、教師の仕事が終われば龍幻がここに来るし」

「それまで我慢するつもり?」


「わるいかよ」

「やせ我慢しなくていいわ。同じクラスなんだし、なにか困ったことがあれば言えばいい」


「アンタに言ったところで解決するわけない」

「言ってみなきゃわからないでしょ?」


「わかるんだよ」

「どうして?」


「俺にはわかるんだ。ただの人間に…俺が今抱えてる問題がわかってたまるか」


ただの人間? 


皇綺羅君は幻夢の言ってた通り……。


「龍幻から貰った小瓶も全部飲んだ。それでも喉の乾きはおさまらない。……足りないんだ、血が」


その瞬間、皇綺羅君の目が赤い瞳へと変わった。


「俺には時間がないんだ。早く見つけないと。クソッ!お前は今どこにいるんだ?……闇姫」


―――ドクン。


その名を呼ばれ、胸がなった。
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