最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「白銀先生。こちらからもいいですか?」

「どうしたんだい?」


「その銃についてなんですけど」


私は今までソレを裏社会で見たことがない。


「これは…裏社会、というよりは吸血鬼から身を守るために作られた代物だ」

「私が裏社会にいた時にそんなものはありませんでした」


「それは当たり前だよ」


え?


「だってこれはオレが作ったものなんだから」

「…」


薬品を作ってるとは聞いていたけど、まさか銃まで。やっぱり白銀先生はただ者じゃない。


「元々は壱流が何か問題を起こした際に使うモノだったんだが、ある日資料を盗まれてしまってね…」

「つまり、白銀先生以外の人間が持ってるってことですか?」


悪用されたら大変。


「そういうことになるね。でも吸血鬼にコレは扱えないから」

「銀、ですか」


銀は昔から魔除けとして吸血鬼の弱点でもあった。

いろんなものを克服しているとはいえ、銀の弾丸で心臓を撃たれれば現代の吸血鬼ですら致命傷になる。


「もちろん、普通の人間の手にコレが渡ってもトリガーを引くことはできない。扱えるのはごく一部の人間だけ。だけど、一部の人間の中に悪用する者がいたとしたら…」

「私に回収しろって言ってますか?」


「そう聞こえたのなら謝るよ。…最近、闇姫が悪さをしていると噂を聞いてね」


闇姫が悪さを?
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