最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「それは私ではありません」

「もちろんわかってる」


「偽物が現れたってことですか?」


それはいろいろと厄介だわ。


「まだ断定はできない。オレ自身がこの目で見たわけではないから」

「そうですか。だけど、偽物の闇姫がソレを使って悪事を働いてるということですね?」


「キミは頭の回転が早いんだね」

「褒めてもなにもでませんよ」


……許せない。


闇姫の名前を使って悪いことをするなんて。


「せめて闇姫本人には話しておきたくてね」

「それはありがたいですが、なぜそれが偽物だとわかったんですか?」


「コイツがいつも闇姫のことを話してくるからさ」





「一度しか会ったことはないのに闇姫はそんなことをする奴じゃないって何度も仲間たちに話してて。オレからしたら、もうノロケなんじゃないか?ってレベルだよ」


そこまで私のことを…。


「意外だったかな?」

「はい」


「キミは案外鈍感なんだね」

「バカにしてますか?」


「喧嘩を売ってるつもりはないよ。もし、キミと喧嘩をしたらオレが一方的に殺られるだけだから」


それは嘘。

あんな一瞬で壱流を止めるなんて私にはできなかった。


白銀先生は強い。それは戦わなくてもわかる。
< 69 / 206 >

この作品をシェア

pagetop