最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「貴方、もしかして……」

「そのまさかだよ。ただの人間が紅い月(ブラッドムーン)なんて代物持つわけないだろう?だが、吸血鬼である俺様ならその入手はいとも簡単にできる。最近になって紅い月(ブラッドムーン)の取引が増えたのも俺様のお陰ってわけさ」


「人間から吸血鬼になる事例なんてほとんどないのに。何故そんなことをしてるの?」


ブラッドムーン。通称「紅い月」。


その注射を打てば、人から吸血鬼になることが可能。しかし、それはあくまでも可能性の話。


実際はまだ試作段階のため、投与された者は痛みと苦しみを味わいながら数時間後には灰となって消える。つまり死ぬということだ。


だが、人間は欲深い生き物。寿命が存在する人間にとっては喉から手が出るほど欲しいモノ。


吸血鬼になれば、特別な力で人間を自由自在に操ることができ、回復スピードも人間とは比べるまでもなく早い。


永遠の若さ、不老不死の身体。そんな力を欲するのは自然の摂理だ。おかしいことじゃない。


死ぬ確率が高くとも、奇跡的に生き残れる者、無事に吸血鬼になることができる例も確認されている。

しかしながら、それは稀で仮に吸血鬼になれたとしても本物の吸血鬼とは違いデメリットのほうが多い。
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