今日も君に恋焦がれるⅡ
「胡桃先輩、残業ですか?手伝いますよ?」


「ううん、大丈夫。帰ってゆっくり休んで?」


「じゃ、お先に失礼します」




もう、遠い記憶になりつつあるけど、腕の傷は目立たなくなっていた。




あんなことがあった次の日の夕方、小野ちゃんはわざわざマンションまで頭を下げに来た。


小野ちゃんは何も悪くないのに。





むしろ、わたしをフォローして色々言ってくれたのにあんなことに巻き込む形になって、こっちのほうが申し訳なく思っていたくらいだ。




それから、小野ちゃんはどことなく元気がなくて気を使わせていたんだと思う。
< 219 / 277 >

この作品をシェア

pagetop