今日も君に恋焦がれるⅡ
「鍵、いいかな?」


「あ、うん」




カバンから鍵を取り出して渡すと「ありがと」と早足で出て行った。


あ〜、もっと居てくれてもいいのに。




出て行く胡桃の背中を見ながらそんなことを思う。





住んでいるマンションは玄関を出ると、自動的に鍵が閉まる仕組みとなっていて、最初はめんどくさいセキュリティだな〜と思っていた。



だけど、度々こうして胡桃が鍵を忘れてくれるから今ではちょっと気に入ってきている。





俺って本当単純だな。
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