カラー×カラー×カラー ~Cruzar Another story 2/5~
第二章
「あら?もしかして彩依凛ちゃんじゃない?」
声がした方に目を向ければ、そこには30代くらいの綺麗な女の人が立っていた。
その手には、綺麗なマニキュアをして。
誰?
なんで、私の昔の名前を知ってるの。
胸まである髪は緩く巻かれ、フェミニンなワンピースを来たその人は、目をきらきらさせ高揚しているようだった。
私に会えたことが嬉しいかのようだ。
彼女は私の方を真っ直ぐ見ているだけで、大きい動きがないから感情が分からない。
「私のこと覚えてないかしら?彩依凛ちゃんのママの友達で、よく家に遊びに行ったのだけど。」
マニキュアの綺麗な…
「あっ…、比梛さん?」
「良かったー!覚えててくれて!」
「ずっと、どうしてるか心配してたのよ。」
まさか、また比梛さんに会えるなんて思わなかった…
しかも、こんな多くの人が行き交う駅で。