明日、告白してもいいですか?
 やがて、眉墨が終わり、私の番になる。

 巳波が、
「ほらほら。
 社内報に綺麗に写ってたら、いい縁談がまとまるかもしれないぞ」
と投げやりに言いながら背中を押してくる。

 いや、そこ、さっき、小突かれて痛いとこ……と思いながら、カメラの前に立ち、引きつった笑みを浮かべる。

 カメラを手にした広報のおじさんが笑い、
「じゃあ、とびきり綺麗に撮ってあげないとね」
と言ってくれたのだが、そもそもカメラの前で笑うとか苦手なので、なかなか上手く行かず。

 時間がかかるので、つい、鼻の下のニキビを気にしていると、
「うーん。
 もっと違う場所なら、写らないように撮ってあげたんだけどねー」
と言われてしまった。

「まあ、そんなに気にならないよ」
とおじさんに言われて、つい、

「そんなに気にならないということは、ちょっとは気になると言うことなんですかねっ?」
と身を乗り出して訊いてしまい、

「その女子にありがちなトークうぜえぞっ」
と巳波に言われてしまった。




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