明日、告白してもいいですか?



「ほほう。
 綺麗になって告白か。

 俺に告白するのか?」
と写真撮影を待っている間、巳波が言ってくる。

 いや、何故だ……。

「いやいや。
 別に今、綺麗になって、誰かに告白しようって言うんじゃないのよ。

 あのとき、マヌケニキビさえなければ告白してたかなって思って。
 いつでも告白できる私でありたいって言うか」

 はい、可愛いよーとグラビアの撮影か、という感じに、眉墨にカメラマンが言っている。

 ただの社内報の撮影なのに、カメラのマニアの人でもいるのか、でっかい照明とか。

 照明についてる傘みたいな奴とか、背景とか、立派な道具が揃っていた。

「好きだと思ったら、いつでも告白とか尻軽か」
と何故か巳波に罵られる。

 いやあの……ただ、好きな人ができても、胸を張ってその人の側にいられるような綺麗な私でいたいと思っただけなのに。

 何故、そんな鼻で笑われ、吐き捨てるように言われねばならないのですか、巳波よ……と長身でイケメン様な同期を見上げた。
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