暗闇の中で
今日もいつも通りスーパーのアルバイトの帰り、今日注意された事を確認しながら暗い夜道を歩く。街灯の光自分だけの道を照らし、一人だけの真っ暗な世界を楽しむ。街灯の光をスポットライトがわりに愛しい人を想う悲しい昭和歌謡を口ずさむ。そんな事をしていると、古いアパートから入れ違いで出てきた、長身で細身の男性にクスっと笑われてしまい、頬を赤く染める。男性は何か言おうとしたがその口をぎゅっと絞って立ち去った。同じアパートの住民とすれ違う事がそう多くなかっただけに驚いたが、今度から気をつけないとと心に呟いた。そしてそっと自分の家の取手に手をつけたがその手に何かが触れた。