あなたも時間逆行の人なの?鎌倉奇譚編
道先案内人
「久しぶりじゃないわよ!何これ
絶対調整世界関係してるよね!」
現れた白装束は遍路服。
国籍が掴めない雰囲気の少年の
登場に驚きは
隠せない。
そんな躊躇いの空気を
嘲笑うかに少年は
壊れた天井梁から
瓦礫が散らばる地下街の床に
クルクルと回転し
飛び降りた。
「失礼だの。お主の息子は我の
管轄だが、そっちの未来人は
想定外の客人だの。よりも、」
早朝の地下街と言え
人も出てくる時間。
「マイケル様!一時ここを離れ
ましょう。通報されます!」
ボディーガード1人、
黒スーツの男が女性に進言する
と、少年も一端言葉を
紡ぐのを止めた。
「そうね。ここで面倒な警察
とか呼ばれたら身動きとれなく
なるか。周りって、防犯カメラ
どうなってる?わかる?」
「大丈夫でございます。そこに
千切れ落ちておりますから。」
「良かった。天井落ちで壊れた
わけね。あんた達、こっち!」
他の防犯カメラの死角になるよう
地下商店のアーケードを
伝え歩くと
女性は手招き入れるのを
カンジの様子を見ながら
離脱を口にした。
「あの、私達は地下へと潜りたい
んです。見逃してくれませんか」
地下街墜落時は
カンジも意識を張って
人体強化していたと上腕筋から
肌ごしに解る。
「あら、なら好都合なはず。
貴方達も追われてるって言って
たじゃない?それに此処は地下
で秘密の通路にはなるわよ?」
女性は一瞥を投げて
何でもない様に言ってくる。
けど、
「地下地域サブプラントですか」
「そ、って貴女よく分かるわね?
だから、全員大人しくしなさい
ね。暴れられたら一貫の終わり
よ。冷温水パイプとあわせて
ガスや電気が配線されてる
んだからね。じゃ、来て!」
企業が犇めく地域で民間が
サブインフララインを引いている
のは情報で知っていたけど、
その内部に潜入するキーを
自由に持つ人間を信用して
いいの?
「アヤカ、」
カンジの額に玉の汗が浮く。
「カンジ、行こう。今のカンジに
外に出ろなんて自殺行為だわ。
わたしを孤独な世界に置いてい
くつもり?案内人は有難い
ことよ。ね、従いましょ?」
カンジの首に手を回して
耳珠に伝えると
そのまま地下街の床にゆっくり
肩から降ろされて、
了解の言葉と捉える。
「貴方達って、独特な感じね。」
「変でしょうか、、」
カンジの口数が少なく気掛かりに
女性に自分達が異形に映るかと
問うてみる。
「未来人て、情緒的なんだねっ
て、意外だなって思っただけ」
マイケルと呼ばれる女性は
黒い纏め髪を揺らして、
歩いた先の入り口に
カードキーを翳す。
そんなやり取りに横槍を
入れるのは、
騎士制服のコスプレイヤー。
サーベルは鞘に納められても、
此方を見る目は射抜く険しさを
感じる。
「母上、そいつらには気を付けて
下さい。魔王でなくとも手下か
もしれない。危険なのですよ!」
施錠が空いた電子音がして
入り口が開く。
この地下街の更に下がるための
階段が無機質に現れた。
「大師、この口うるさいのは、
本当にあたしの息子なの?」
いつの間にか女性の後ろに
位置を進めてきた少年に
顔を近づけて睨む彼女に、
「マイケル様!!早く地下街から
動きましょう!警備がきます」
今度は女性のボディーガードが
急かしてくる。
「わかったから!じゃあ、こっち
降りるよ。この配管、うちの
ホテル駐車場まで引いてる
から、ここのライン伝うよ。」
彼女を先頭に深く潜る階段を
全員が降りると、
程なく後ろで電子音と共に
再び施錠がされたのが聞こえた。
このカオスな他人との迎合は
本来なら不審でしかないにも
関わらず
日の光から
カンジを地下の闇に隠せた事に
ほっと
息を潜めて安堵する。
絶対調整世界関係してるよね!」
現れた白装束は遍路服。
国籍が掴めない雰囲気の少年の
登場に驚きは
隠せない。
そんな躊躇いの空気を
嘲笑うかに少年は
壊れた天井梁から
瓦礫が散らばる地下街の床に
クルクルと回転し
飛び降りた。
「失礼だの。お主の息子は我の
管轄だが、そっちの未来人は
想定外の客人だの。よりも、」
早朝の地下街と言え
人も出てくる時間。
「マイケル様!一時ここを離れ
ましょう。通報されます!」
ボディーガード1人、
黒スーツの男が女性に進言する
と、少年も一端言葉を
紡ぐのを止めた。
「そうね。ここで面倒な警察
とか呼ばれたら身動きとれなく
なるか。周りって、防犯カメラ
どうなってる?わかる?」
「大丈夫でございます。そこに
千切れ落ちておりますから。」
「良かった。天井落ちで壊れた
わけね。あんた達、こっち!」
他の防犯カメラの死角になるよう
地下商店のアーケードを
伝え歩くと
女性は手招き入れるのを
カンジの様子を見ながら
離脱を口にした。
「あの、私達は地下へと潜りたい
んです。見逃してくれませんか」
地下街墜落時は
カンジも意識を張って
人体強化していたと上腕筋から
肌ごしに解る。
「あら、なら好都合なはず。
貴方達も追われてるって言って
たじゃない?それに此処は地下
で秘密の通路にはなるわよ?」
女性は一瞥を投げて
何でもない様に言ってくる。
けど、
「地下地域サブプラントですか」
「そ、って貴女よく分かるわね?
だから、全員大人しくしなさい
ね。暴れられたら一貫の終わり
よ。冷温水パイプとあわせて
ガスや電気が配線されてる
んだからね。じゃ、来て!」
企業が犇めく地域で民間が
サブインフララインを引いている
のは情報で知っていたけど、
その内部に潜入するキーを
自由に持つ人間を信用して
いいの?
「アヤカ、」
カンジの額に玉の汗が浮く。
「カンジ、行こう。今のカンジに
外に出ろなんて自殺行為だわ。
わたしを孤独な世界に置いてい
くつもり?案内人は有難い
ことよ。ね、従いましょ?」
カンジの首に手を回して
耳珠に伝えると
そのまま地下街の床にゆっくり
肩から降ろされて、
了解の言葉と捉える。
「貴方達って、独特な感じね。」
「変でしょうか、、」
カンジの口数が少なく気掛かりに
女性に自分達が異形に映るかと
問うてみる。
「未来人て、情緒的なんだねっ
て、意外だなって思っただけ」
マイケルと呼ばれる女性は
黒い纏め髪を揺らして、
歩いた先の入り口に
カードキーを翳す。
そんなやり取りに横槍を
入れるのは、
騎士制服のコスプレイヤー。
サーベルは鞘に納められても、
此方を見る目は射抜く険しさを
感じる。
「母上、そいつらには気を付けて
下さい。魔王でなくとも手下か
もしれない。危険なのですよ!」
施錠が空いた電子音がして
入り口が開く。
この地下街の更に下がるための
階段が無機質に現れた。
「大師、この口うるさいのは、
本当にあたしの息子なの?」
いつの間にか女性の後ろに
位置を進めてきた少年に
顔を近づけて睨む彼女に、
「マイケル様!!早く地下街から
動きましょう!警備がきます」
今度は女性のボディーガードが
急かしてくる。
「わかったから!じゃあ、こっち
降りるよ。この配管、うちの
ホテル駐車場まで引いてる
から、ここのライン伝うよ。」
彼女を先頭に深く潜る階段を
全員が降りると、
程なく後ろで電子音と共に
再び施錠がされたのが聞こえた。
このカオスな他人との迎合は
本来なら不審でしかないにも
関わらず
日の光から
カンジを地下の闇に隠せた事に
ほっと
息を潜めて安堵する。