赤く染る白い華
私が、唇を噛み締めて言うと、和音が

「私もそれは、夏のせいじゃないと思うな。」

私は目を見開き和音を見る

「でも、そいつは私を守ったの。下っ端なのに自分の命を犠牲にして」

私は目が潤んで前が見えなくなった

それと同時に暖かいなにかに包まれた

それは、和音だった

「夏それは違うよ。夏のせいじゃない、その下っ端は自分の総長を守っただけなんだよ。大切な仲間を。夏ももしその下っ端を守ったのならね、恩返しをしただけだと思うな」

まるで、私を守った"蓮"と似ていた

蓮は、誰よりも熱心でがんばっていた

いつも口癖のように

「いつか、総長を守れる男になります!」

ってニコと笑って言っていた

しかも、最期にいったのは

「総長、ずっと大好きです。愛してます」

苦しいはずなのにハッキリと言って逝った

私は暴走したように相手を潰して言った

泣きながらも、目の前にいる敵だけを潰す
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