凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～
蝉時雨
一日目の休みは料理教室に行き、天気がよかったのでシーツやタオルケットを洗濯して干し、母親がひとりで暮らすマンションを訪れて沖縄土産を渡し、そのまま一泊して翌日の午前中に帰宅した。
洗濯物を片付けて、お昼ご飯を済ませ、ひと息ついた頃には十三時を回っていた。
ロンドンにいる椎名さんはまだ寝ている時間。
昨日はホテルの客室から見える景色や、おいしそうなイギリス料理の写真が送られてきた。
紺野さんから私が料理教室に通っていると聞いたらしく、興味があるかもしれないと思って写真を撮ってくれたのだろう。
その話題が出たということは、私の常套句も知ったよね……。
周りからは自分磨きを楽しんでいると思われている私が、本当は自信をつけて自己肯定感を高めるためにやっているのを椎名さんは把握済み。
なんだか恥ずかしい。
月に一度、着付け教室に通い始めたのは黙っておこうかな……。
今日は十五時からオンラインの英会話レッスンがある。それまでに連勤四日分の常備菜を作っておきたい。
エプロンをつけてキッチンで作業を始めてすぐスマートフォンが鳴った。
少し前までの私なら、『どうせお姉ちゃんだ。タイミングが悪いなあ』と瞬時に思っただろう。しかし今は頻繁に連絡を取る相手がもうひとりいるのでそうはならない。
