凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「菜乃さんってよく食べるのに細いですよね。ランニングと筋トレは夏も継続?」

「さすがにランニングは控えてる。その分筋トレは頑張ってるよ」

「すごいですね。尊敬しちゃう」

 頬杖をついて、朱莉ちゃんは気怠そうに溜め息をついた。これは本格的に危なそう。

 いつもは元気いっぱいで、どこからこんなにエネルギーが溢れ出てくるのだろうと思うくらいなのに。

「朱莉ちゃんって毎年夏バテになっていたっけ?」

「そうですね。でも今年が一番ひどいかもしれないです」

「夏バテに効く食べ物として、手軽なものに梅干しやレモンがあるよ。あとは鶏肉、豚肉……手軽ではないけどうなぎとか」

 先日の料理教室でちょうどこの話題が出て、先生にいくつかのレシピを教えてもらったばかり。

「なるほど。唐揚げにレモンをかけて食べればいいわけですね。菜乃さん今日って空いていますか? 飲みに行きません?」

 目をらんらんとさせた朱莉ちゃんに、申し訳ない思いで両手を合わせる。

「ごめん。今日は先約があるの」

「え~残念~」

 朱莉ちゃんはテーブルに腕を伸ばし、その上に頭を乗っけて項垂れた。
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