凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
その言葉通り椎名さんは私が食べ終わるのを静かに待ってくれていたが、咀嚼しているところを眺められるのが気恥ずかしく、これはこれで白玉を喉に詰まらせそうだと思った。
空になった食器を下げてもらい、食後のコーヒーをのんびりいただく。
渡すなら今がいいよね、と意を決してバッグからネイビーの包装紙に包まれた箱を取り出した。
「これ、受け取ってもらえますか?」
椎名さんは私を見て、箱を見て、そしてまた私に視線を戻した。
「これは?」
「誕生日おめでとうございます」
「……ありがとう」
目を丸くさせたまま私の手から箱を持っていく。
「開けてもいい?」
「はい」と答えてから、カウンターテーブルの向こうに立つ女将に目をやった。
にこにこ笑いながら小さくうなずかれ、一部始終見られていたのだと把握する。
朱莉ちゃんの同僚だと気づかれていないよね? 私の顔を覚えていたら、最初に声を掛けてきただろうし。
そろりと包装紙を破いている手元に視線を戻し、えっ、と声を上げそうになった。
「椎名さん……」
意味深につぶやくと椎名さんは顔を上げる。
「ん?」
「包装紙、丁寧に破ってるじゃないですか」
椎名さんはキョトンとしたあと、ブハッと盛大に噴き出した。
空になった食器を下げてもらい、食後のコーヒーをのんびりいただく。
渡すなら今がいいよね、と意を決してバッグからネイビーの包装紙に包まれた箱を取り出した。
「これ、受け取ってもらえますか?」
椎名さんは私を見て、箱を見て、そしてまた私に視線を戻した。
「これは?」
「誕生日おめでとうございます」
「……ありがとう」
目を丸くさせたまま私の手から箱を持っていく。
「開けてもいい?」
「はい」と答えてから、カウンターテーブルの向こうに立つ女将に目をやった。
にこにこ笑いながら小さくうなずかれ、一部始終見られていたのだと把握する。
朱莉ちゃんの同僚だと気づかれていないよね? 私の顔を覚えていたら、最初に声を掛けてきただろうし。
そろりと包装紙を破いている手元に視線を戻し、えっ、と声を上げそうになった。
「椎名さん……」
意味深につぶやくと椎名さんは顔を上げる。
「ん?」
「包装紙、丁寧に破ってるじゃないですか」
椎名さんはキョトンとしたあと、ブハッと盛大に噴き出した。