凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「朱莉ちゃんの友人として、朱莉ちゃんに今の話をしてあげてほしいです」

「でもねえ」

 親子だからこそ、本音を伝えられないときだってあるのだろう。

「うーん……そうね、電話に出るかわからないけど、近いうちに連絡してみるわ」

 前向きな言葉を聞けて安堵する。

 もし親子仲直りできたら、来週の飲み会はここでしたいな。

「心配してくれてありがとう。優しいお友達がいて安心したわ」

 私と女将は顔を見合わせて、ふふふっと笑い合う。

「よかったらまた来てね。夜は主人も表に出てくるし、常連客もいて愉快な雰囲気だから、ふたりにも楽しんでもらえると思うわ」

「ありがとうございます。また近いうちにお邪魔しますね」

 女将に別れを告げて店の外に出た。途端に地面から立ち昇る熱気と蝉の鳴き声に、まだ十六時前なのだとハッとさせられる。

 車のドアを開けると息が出来ないくらいの暑さで、車内の温度が下がるまで外で時間を潰すことにした。
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