凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「まさか君の上司は、代わりがきかないからと、緊急事態なのに君をここで働かせているのか?」

「違うんです。私が、このまま勤務にあたると言ったんです」

「どうして」

「もし命に関わる病気が見つかればすぐに連絡がくるはずです。叔父に電話をして、仕事終わりに病院へ行ってもらうようにお願いしました」

 彼女なりに状況を整理して懸命に判断したのだろう。しかしなにかあってでは遅いのでは?

「とにかく……」

 病院に向かった方がいいと言いかけたとき、不自然な速さで真っ直ぐこちらに歩いてくる姿に言葉を切る。

「お話し中すみません」

 突然割り込んできたスタッフに新川さんが目を丸くする。

「朱莉ちゃん」

 この子が例の居酒屋の……。

 何度か目にしているので顔は覚えているが、正直名前までは把握していなかった。

「なにかトラブルがありましたか?」

 新川さんほどではないが、真っ直ぐに俺を見据える表情は凛としている。
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