凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 その場を離れてすぐに二階堂から質問攻めに合う。

「新川さんとお知り合いなんですか!?」

「さっきそう言っただろう」

「そういう意味じゃなくてですねっ」

 焦ったような言動に、横目でチラッと二階堂を見る。

「俺たちの会話を聞いていたのは二階堂と真鍋さんだけだ。他のスタッフは新川さんの事情を知れば、そのことで話し合っていたのだと納得するはず。だから、俺と新川さんが親しい間柄だというのは、ここだけの話にしておいてくれ」

 質問に答えつつ、しっかり牽制をする。

 二階堂は驚きで半開きになった唇に指で触れて、「はい……」と蚊の鳴くような返事をした。

 この様子だと、わりと本気で新川さんに入れ込んでいたのかもしれない。

 申し訳ないとは思うがこればかりは譲れない。

「ありがとう」

 澄ました表情を崩さず、ブリーフィングを出来る限り早く終わらそうとオフィスへ急いだ。


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