凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
予定通り一時間後に新川さんと駐車場で落ち合った。
土曜日の昼下がり、高速道路はそこまで混雑しておらず三十分ほどで目的の病院へと到着する。
道中、新川さんは太腿の上できつく両手を握りしめていて、こんな不安定な精神状態で仕事をしようとしていたのかと眉間に皺を寄せた。
東京で頼れる親戚は叔父だけと話していた。そして恋人を作らずひとりで強くあろうとしていた彼女は、この六年間で甘え方を忘れてしまったのだろうか。
それとも複雑な家庭環境ゆえ、なんでもひとりで抱えこむ癖がついているのか。
危なっかしいな。ひとりで生きていける強靭の精神の持ち主であれば問題ないが、彼女はそうじゃない。
新川さんの母親が入院している病棟のナースステーションまで付き添い、病室を伝えられたところで俺はその場をあとにする。
今日は自習室で勉強をする予定でいたから、それを食事や談笑するスペースでやればいい。そう伝えると、新川さんはホッと安堵の息をついていた。