凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「俺は新川さんの笑顔が好きだ。凛とした佇まいや、芯が真っ直ぐなところがカッコいいと思う。相手の気持ちを汲み取り、思いやりを持って接することができるところを尊敬している」

 突然始まった俺の告白を、新川さんはくすぐったいような顔つきで聞いている。

「好きになってくれてありがとう。大切にするから、信じて一緒にいてほしい」

 彼女への強い愛情が、抑えつけていた蓋を突き破って外に溢れ出す。

「はい」

 両頬に愛らしいえくぼを出した顔で、新川さんは花が咲いたように微笑んだ。

 ぬるま湯に浸かっているように全身が温かなもので満たされ、心地いい幸福感に顔がニヤつきそうになる。

 口元に手をやって誤魔化しながら、ずっとしたかった願望をさらけ出した。

「名前で呼んでもいい?」

 新川さんはウサギがぴょこっと立つように背筋を伸ばし、「はいっ」と大きな声で返事をする。

「菜乃」

 名字から名前に変えただけで、こんなに愛しさが胸元突き上げる。ドクドクと鼓動する心音が菜乃に伝わってしまいそうだ。

「俺も名前で呼んでもらいたい」

「……虹輝さん、で、いいですか?」

 照れくさそうに笑う菜乃が可愛くて、彼女に触れたい衝動から武者震いが止まらない。
< 150 / 248 >

この作品をシェア

pagetop