凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「慣れるまで、ちょっと恥ずかしいですね」

 菜乃は「へへへっ」とあどけない笑顔を浮かべる。

「早く慣れるようにたくさん呼べばいい。菜乃」

 脈絡なく呼ぶと、菜乃は首を傾げた。

「ほら、菜乃も呼んで」

「え? えっと……虹輝さん」

「菜乃」

 彼女の声に被せるように呼ぶ。

「虹輝さん」

「菜乃」

「ちょっと待ってください。このやり取り恥ずかしいです」

 菜乃は白い肌を真っ赤に染め、両手を頬に押し当てた。その腕をやんわりと掴んで俺の方へ引き寄せる。俺自身も彼女へと身体を傾けてゆっくりと顔を近づけた。

 ゆらゆらと揺らぐ綺麗な瞳が閉じられる。長い睫毛の一本一本にすら愛おしさを感じながら、優しく丁寧に唇を触れ合わせた。

 思っていた以上の柔らかさに心臓が暴れるように鼓動している。

 いつまでも触れていたいし、なんならもっと深く口づけたい。しかし返事をもらえた瞬間からがっついたら引かれるだろう。
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