凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「すっかり元気です。一週間ゆっくり休めたので、明日からはもりもり働くと言っていました」

「菜乃の頑張り屋のところはお母さん譲りかな」

 クスクスと笑ってドアをそっと閉めた虹輝さんは、運転席に回って私の顔をジッと見つめる。

「ん?」

 首を傾げたら、虹輝さんは目元を優しく和らげた。

「会いたかった」

 身体の内側からぶわっと熱が込み上げて、ドクンドクンと激しい心音が全身に鳴り響く。

「空港で会いましたよ」

 もちろん、彼がそういう意味で言っていないのは理解している。でもこれ以外に言葉が思い浮かばなかった。

 言い逃げてシートベルトをしようと右を向いたところで、肩をグイッと掴まれて上半身が右側に傾く。

 なにかを考える暇もなく唇にやわらかなものが触れて、心臓がギュッと締めつけられた。

 すぐに離れると思っていた唇はいつまで経っても触れ合ったままで、だんだんと息苦しくなってきた私は水面から顔を出したときのように口を大きく開けて息継ぎをする。

 その僅かな隙を見逃さず、ぬるっと口内に侵入してきた舌に「んぅっ」と甘ったるい声がこぼれ落ちた。

 虹輝さんは容赦なく歯茎をなぞり、逃げ惑う私の舌を絡め取って吸い上げる。
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