凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「虹輝さんの?」

「そう。菜乃が嫌じゃなければ」

 嫌なわけがない。むしろ嬉しくて口元がニヤつきそうになっている。

「行きたいです」

「よかった」

 目元をふっと和らげた横顔を、今日も今日とて素敵だなあと眺める。

 今から向かったとしてマンションに着くのは十四時頃になるはず。

「デザート買って行きませんか?」

「いいね。どうせだから夕飯の買い出しもしようか」

「夕飯?」

 とくになにも考えずにオウム返ししたのだが、虹輝さんは意味があるように受け取ったのか、苦笑いを浮かべた。

「悪い。菜乃を部屋に入れたら、たぶん出たくなくなるだろうから、そのままゆっくりできるように……と、勝手に考えていた」

 それって、夜まで虹輝さんのマンションで過ごすって意味だよね。

 心臓がドキドキして目が泳ぎ、恥ずかしくなって顔を前に戻す。

「そ、そうしましょうか。休みなので、お互い身体を休めるべきですし」

「果たして休めるかどうかはわからないけどな」

「え?」

 もう一度虹輝さんに視線を戻したが、涼しい顔からは感情が読み取れない。
< 158 / 248 >

この作品をシェア

pagetop