凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 休めるかどうかわからない……。心の中で台詞を反芻して、ひとつしか浮かばない意味に身体が熱くなる。

 期待していいのかな? でもまだ付き合って一週間だし……。

 と思いつつ、前回のデートからお気に入りの下着をつけている。私の方は準備万端なのだが、彼はまだ私の唇にしか触れてくれない。

 好きになったら恋人のすべてを知りたいし触れたい。この思考も独占欲の塊で依存の症状なのだろうか。

 求めすぎたら、また『重い』と思われるかもしれない。

 たくさん悩んで選んだ道なのだから失いたくないし、上手く付き合っていきたい。だから彼のペースに合わせないと。

「ふたりで作らないか?」

 たった数十秒の間に違う思考へ飛んでいた私は、一瞬なにについて言われているのかわからずポカンとした。

「夕飯」

 主語を付け足してくれたおかげで我に返る。そうだった。夕ご飯の話をしていたんだよね。

「いいですね。なにを作りましょうか」

「カレーが食べたい」

「シンプルで王道にいきましたね」

 もっと手の込んだ料理名が飛び出てくるかと踏んでいたので、カレーが好きなんて男子学生みたいで可愛いなとクスクス笑う。
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