凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 浴室に置いてある虹輝さんのシャンプーや、香りのいい海外ブランドのボディソープなどを目にしただけで鼓動が速まる。

 いつもより入念に全身を洗い流し、心はともかく身体はスッキリサッパリさせて身支度を整えた。

 持参したパジャマはボルドーに近い色味のチェリー柄で、袖がパフスリーブになっていて可愛い。ショートパンツは股下十センチほどの短さなのだが……夏だし許されるよね?

 鏡に顔を映して不備がないか確認する。

 髪よし。パジャマよし。顔は……ノーメークだからどうしようもない。

 いつもはファンデーションで誤魔化している頬の赤みがもろに出ているので、これ以上赤面しないように気をつけなくちゃ。

 両手で拳を作り、「よしっ」と気合いを入れて廊下に出る。爆発しそうなほど騒いでいる心臓の音をうるさく感じながらリビングへ足を踏み入れた。

「お先にいただきました」

 ソファでなにかの教本に目を落としていた虹輝さんが振り返り、私を目にして固まった。
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