凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「俺がどれだけ菜乃が好きなのか、やっぱり伝わってなさそうだな」

「ごめんなさい。伝わっています。本当です」

 電子キーをギュッと握りしめる。虹輝さんは眉間に皺を寄せて私の肩を掴んだ。

「何度だって言うよ。菜乃の笑顔が好きだ。とくにお酒を飲んで大口を開けて笑っているところが好き」

 えっ、と思わず両手で口元を隠す。

「姿勢がよくて動作のひとつひとつに品があるところは尊敬しているし、そう見えてお酒を飲むと饒舌になって愉快気にするところとか、ギャップが可愛いと思っている。それから、なにより一緒にいて癒される」

 すらすらと語られる想いに羞恥心に襲われ、身体が燃えているように熱くなった。

 そんなふうに思ってくれていたんだ。自分が想像していたよりずっと、私は彼に愛されている。

「さっきの言葉通り、今から菜乃を全力で愛してもいいか?」

 マットレスに私を押し倒し覆い被さった虹輝さんは、瞳を揺らして恋愛映画の台詞のような甘い囁きをする。彼の首に手を回し、自分からキスを迫った。

 それが合図となり行為が深いものへと変化する。

 ダメな部分を受け止め、理解してくれる虹輝さんへの想いが溢れて止まらない。

 大好き。好きすぎて辛くなるくらいに。

 心地いい高い体温に包まれながら、だからこそこのままではいけないと強く思う。

 虹輝さんに無理をさせ続けたくないし、なにより自分がいつか壊れるだろうから――。

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