凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「チケット取れたよ」

『よかった! 仕事休めないけど、定時で絶対あがるから!』

「ありがとう。日中はおばあちゃんとお墓参りに行ったり、ゆっくり過ごすよ」

 手帳を眺め、虹輝さんはその二日間ソウルへフライトか、とテーブルに頬杖をつく。

『お父さんよりは早く帰るようにするから。それにしても生理と被らなくてよかったね』

 姉の言葉に思考が違うところに飛ぶ。

 あれ? 生理の予定日っていつだった? 今週のはずだよね……。

 先月沖縄旅行をする際に、プールに入るから生理と被らないように姉と日程を調整した。

 手帳のページを慌ててめくって先月書き込んだメモを探す。七月十日に“生理”と書き込まれていて思わず声を上げそうになった。

 だいたい三十日前後の周期で、二、三日のズレはよくある。でも六日遅れるというのは人生で初めてだ。

 胸のざわつきを覚え、用件だけ手短に伝えて電話を切った。

 生理が来ない理由はひとつしかないけれど、そんなはずはない。虹輝さんは行為のとき必ず避妊をしてくれていたし……。
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