凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 五時四十五分から十四時十五分までの早番勤務を終え、空港近くに借りているマンションに一度戻ってから、十八時十分発NAL925便に搭乗した。

 航空会社『Nippon Airlines(ニッポン エアラインズ)』、通称NALは国内最大手。そこに所属するパイロットや客室乗務員とは違い、私はグランドスタッフの業務を専門的に請け負うNALグループのハンドリング会社に属している。

 すぐそばを客室乗務員、通称CAが通りすぎて行った。

 同じ航空関係の仕事に従事しているといっても、彼等は華やかな世界の人たち。顔見知りのCAは何人かいるが、今通りすぎた女性は私の顔すら把握していないかもしれない。

 この機体を飛ばしている機長、椎名虹輝(しいな こうき)さんや、副操縦士、通称コーパイの紺野翔太郎(こんの しょうたろう)さんも、私の存在など知らないだろう。

 それでも私はグランドスタッフである自分を誇りに感じているし、大好きな仕事だ。

 先週の七月七日に誕生日を迎えて二十七歳になり、最近では仕事もすっかり板についてきたんじゃないかと自負している。
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