凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～

　俺目がけて一直線に向かってきたのは今日同じグループのCAで、ニューヨークステイのときに、公式アカウントで元気にしている姿を見せればいいんじゃないかと提案した人物。

「これ、椎名さんのものじゃないですか？」

　もしかして走って追いかけてきたのだろうか。肩で息をしている彼女は、笑顔を見せてハンカチを差し出した。

「いや、違う。二階堂のだろう」

　沖縄フライト便のコーパイは二階堂で、さっきまで彼女を含めてブリーフィングを行っていた。そのときに落としたのではないだろうか。

「そうなんですか？」

　CAは顔を赤くしてハンカチを引っ込める。

「わざわざ追いかけてくれたのにすまない」

「私が勝手にしたことなので……」

　まあ、そうなのだろうけれど。