凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 飛行機は上空を旋回し始める。

「燃料を消費しているんですか?」

「すごいね。そこまで分かるんだ」

「虹輝さんの部屋で読ませてもらった、航空書籍の中に記述されていました」

 紺野さんは目を丸くする。

「勤勉なところとか、本当に似た者同士だね」

 そう言われて嬉しいけれど今は喜んでいる場合ではない。

「機体が重すぎると着陸したときの衝撃が大きくなって、タイヤや脚などの着陸装置が耐えられない。だから旋回をして、燃料を減らすというのは基本なんだけど」

 あれ? と紺野さんが口の中でつぶやいた。

 どうしたのだろう、と最初は異変に気づかなかったけれど、飛行機が旋回を止めて高度を上げているのが私にもわかった。
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