凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「菜乃の身体を俺が洗えば離れなくて済む」

「い、いいですけど、身体は自分で洗います」

 一分一秒でも離れたくないのは一緒だ。ドギマギしながら答えると、頭の上にフッと空気を含んだ笑い声が落ちた。

 手を引かれて洗面所に入り、並んで衣類を脱ぎ捨てる。

 この一ヶ月何度も身体を重ねたけれど、一緒にお風呂に入るのはこれが初めてで心臓が壊れそうなほど大きく鼓動を打つ。

 シャワーヘッドから噴き出す熱いお湯をかけ合って、髪を洗い流し、それからボディソープを泡立てる。

 目のやり場に困るし、あまりに恥ずかしい状況なのでさっさと身体を洗って退散しようと、もこもこの泡を首筋にのせたとき。いきなり背中を触られて「ひゃっ!」と叫んだ。

「背中は洗うよ」

「自分でやるって言ったじゃないですか!」

 強めに訴えても彼の手は構わず背中を滑っていく。

 もうっ、と口を尖らせて、仕方なく虹輝さんの好きにさせた。最初は優しく撫でるように洗っていた手がだんだん怪しい動きになり、脇腹を行ったり来たりしたあと、わりと強引に胸の膨らみに移動してきた。

「んっ」

 不意打ちをくらって思いがけず声がこぼれ落ちる。
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