凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「やわらかくて、ずっと触っていたくなる」

 丁寧に揉みしだかれると、途端に脳みそが溶け始めたように思考がぼんやりする。胸の先端を指先で摘まれて、きゅうっと身体の奥が疼く感じがした。

 筋肉質な腕をやんわりと掴んで胸から引きはがす。簡単に離れた腕から手をどけて、様子をうかがいながら訴えた。

「お湯を張っていないし、ここで遊んでいたら風邪引きます」

「それもそうだな。つい、触りたくなった」

 正直に本音を吐露する虹輝さんが可愛いなと思いながらも、危うく流されそうになっていた自分を叱咤する。

 妊娠初期は身体を大切にしなくちゃいけないのに、快楽に負けそうになってどうするの。

 お腹の子を守れるのは私しかいないんだから、もっと責任感を持たなければいけない。

 手早く身体を洗ってパジャマに着替えたあとは、冷凍食品を調理してテーブルに並べた。

 たまにはこういうのもいい。飾らない日常の一コマが気を許し合っている者同士のようで、上手く言えないけど幸せな気持ちになる。
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