凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～
　虹輝さんは明日の予定が変更となり、聴取を受けたあとはフリータイムになるそうだ。

　心身ともに疲れているだろうからゆっくりできると聞いてホッとした。

「紺野から聞いたよ。展望デッキで着陸時を見守ってくれていたらしいな」

　口の中に食べ物が入っているので、もぐもぐと咀嚼しながら相槌を打つ。

「紺野が絶賛していたよ。菜乃は肝が据わっていて、強くてカッコいい女性だと」

　ご飯が喉に詰まりかけてゲホッと大きな咳をする。

　なにそれ？

「狼狽えなかったんだって？」

　ごくん、と最後のご飯を飲み込んで、「まったくというわけではないですけど」と苦笑した。

「俺を信頼している様子だったとも聞いたんだけど、本当か？」

「虹輝さんなら絶対に大丈夫だと信じていましたから」

「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

　嬉しそうに、子供みたいに歯を見せて笑う虹輝さんをこのうえなく愛おしく思う。

　こんな日じゃなくても、と否定的な考えも少しあるが、話をするなら今がいい気がした。

「お話があるんですけど、ソファに移動してもいいですか？」

　いいけど、と瞬きをする虹輝さんからついと顔を逸らし、そそくさとソファへ行く。
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