凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「望まないわけがないだろう。俺はただ、菜乃の本音を聞きたかっただけだ」

 まだ彼の本心が伝わってこない。でも大丈夫。虹輝さんの決断がどっちでも、今の私なら受け止められる。もう自己嫌悪に浸って悩んだりしない。

 この子は私が絶対に幸せにするんだから。

 唇を結んで続きを待つ。虹輝さんは小さく息をついてから、握る手の力を弱めた。

「俺と結婚してくれると受け取っていいんだな?」

 ここで結婚という台詞が飛ぶとは予想していなかったので、口をポカンと開けて呆けてしまう。

「まさかひとりで育てるつもりか?」

 矢継ぎ早に問われ慌てて首を左右に振る。

「最悪の場合そのつもりでした。でも、一緒に育ててくれるんですよね……?」

「あたり前だ。俺たちふたりの子供なんだから」

「そっか、よかった」

 緊張で強張らせていた肩から力を抜く。

 責任を感じ無理して結婚しようとしているとか、自然とマイナスな考えは浮かばなかった。

 それもこれも彼の言葉を信頼しているのだと気づけたからで、紺野さんには感謝しなければいけないなと頬が緩む。
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