凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「だからここ最近様子がおかしかったんだな。沖縄行きを止めたのも、妊娠していたから?」

「そうです」

「ひとりで悩ませて悪かった。いつから? 今何週目なんだ? その前に病院は行ったのか?」

 止まらない質問にひとつひとつ答えていき、これまで私が独自に調べ得た知識も共有する。

 すべて聞き終えた虹輝さんは、繋いでいる手を引き寄せて私を抱きしめた。

「すごいな。一回の行為で妊娠するなんて。授かりものだし、しかも避妊をしていたのに、俺たちのところに来てくれたんだな」

 虹輝さんは私の後頭部を撫でながら優しい声で語る。聞き心地のいい声に癒されて、分厚い胸に体重を預けた。

「菜乃はさっき失敗したと言っていたけど、失敗じゃなくて成功だろう。これで菜乃は一生俺から逃げられない」

 穏やかな虹輝さんらしからぬ発言に驚く。

「逃げるつもりはなかったですよ」

「避けていたのに?」

 これはもしかして拗ねているのかも。たしかにここ数日の態度は悪かったもんね……。

「私は結婚するなら虹輝さんしかいないし、虹輝さんと結婚できなければ、誰とも添い遂げられないと考えていましたよ」

「それは俺も同じだ」

「え? 嘘」

 がばっと身体を起こして目と鼻の先にある綺麗な顔を覗き込む。

「本当だよ」

 頬を指でするりと撫でる仕草が、大切にされているのを刻みつけられているようだった。
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