凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「いろいろ式場を見たけど、空港でしようかなって思ってる」

「空港で結婚式を挙げられるのか?」

 父親が目を丸くする。

「びっくりするよね。普通じゃない雰囲気になるだろうから、皆にも楽しんでもらえるだろうし、なにより私たちの大好きな空港っていうのが、ね?」

 隣に座る菜乃に共感を求められ大きくうなずいた。

「パイロットもいっぱい参列するんだよね? 楽しみ~!」

「航空関係者が多くなるだろうから、パイロットかどうか見分けるのは難しいんじゃないかな」

「じゃあパイロットは制服で参列してもらおうよ」

 なにそれ、と菜乃は肩を揺らして楽しそうに笑う。

「日菜香。菜乃の結婚式で相手を見つけるのはいいが、そうしたら東京に引っ越さないといけなくなるぞ」

「それは困るなあ」

 父親と姉のやり取りに穏やかな眼差しを送る菜乃を見つめる。幼少期から離れて暮らしていた家族を優しく見守れる菜乃なら、間違いなく俺とお腹の子と三人で温かな家庭を築けるだろう。

 父親は明日には沖縄へ戻り、姉は母親の方でもう一泊していくそうだ。

 食事を終えてふたりをホテルに送り届け、俺たちはマンションへ帰宅する。
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