凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 煩悩を退散させようと空を見上げたら、太陽のすぐそばにある雲が輝いている気がした。

 天体望遠鏡で何度か見たことがある彩雲だと思う。眩しくてしっかりと確認できないけれど。

 そこへ空の遠くかなたからジャンボ機が近づいてくるのが見えた。すごいコラボレーションだな。

 菜乃に教えてあげようかと視線を戻すと、薬指にある指輪を優しい手つきで撫でていて、もう少しこのまま愛しい彼女を眺めていたくなった。

「菜乃、愛してる」

 ついて出た言葉にぴたりと動きを止めた菜乃が、顔をゆっくりと上げる。

 空に浮かぶ雲のように、ふわふわした優しい笑顔を浮かべて俺の胸に飛び込んできた。

「私も愛しています」

 菜乃をしっかりと胸に受け止めて苦笑する。俺の忍耐はいつも持たないな。

 頭から下へ手を滑らせて顎を持ち上げ、菜乃の表情を確認する余裕もなく、綺麗に口紅が引かれた唇を塞いだ。

 そんな俺たちを見守ってくれているかのように、清々しい風が肌を滑っていった。

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