凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 ネイビーとブラックも捨てがたかったのだが、私の一存で普段見られない色味にしてもらった。光沢のある生地は光があたるとキラキラ輝き、清潔感のある彼にとても似合っている。

「これは目に焼きついて一生忘れないだろうな」

 下降していくガラス張りのエレベーターの中で、虹輝さんは緊張した様子もなく微笑んでいる。

「下で待ってる」

 二階に到着し、私にそう優しく囁いて先にひとり階段を降りていく虹輝さんを、ドキドキ高鳴る胸で見送った。

 盛大な拍手と歓声が沸き起こる。なかには「カッコいい!」と叫ぶ声も聞こえて頬が緩む。

 そう、私の旦那さまはカッコいいのだ。

 羽田空港第1ターミナルビル、中央の吹き抜けロビーで行う挙式は、列席者以外に一般客からも丸見えだ。今日初めて私たちを目にした人々からも温かな拍手をもらえ、幸福感でいっぱいになった胸が熱くなる。
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