凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「それでもし新川さんが困るようなときがあったら、力になれるように努力しよう」

「いえ、そんなっ」

 新川さんは慌てて右手を大きく横に振る。

「でも、困るようなときっていつだろうな」

 俺が宙に視線を投げて考える素振りをしたら、新川さんも一緒になって首を捻る。

「そうですね……そんなのないような気がします」

「俺もそう思う。だから俺が君の秘密を共有しているのを、お守りや保険のように考えていたらいいんじゃないか」

 彼女が納得できるように説明をしたら、新川さんは目を弓なりに細めて笑った。

「ありがとうございます。心強いです」

 しっかりとした口調で、強い意思が感じられた。

 やっぱり、こういう凛としている姿は好ましいなと感じて笑顔に見入る。

「もうこんな時間なんですね。付き合わせてしまってすみません。そろそろ行きましょうか」

 俺たちの間に流れていた穏やかな空気をぶった切り、椅子から立ち上がってスカートの裾を直しながら早口に言う。

 名残惜しさを感じながら俺も立ち上がった。
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