凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「どうかされました?」

 声を掛けられてハッと我に返り、決まり悪く笑顔を作る。

「ありがとう。嬉しいよ。……それじゃあ」

「おやすみなさい」

 ぺこりとお辞儀をした新川さんは、扉を開けて部屋の中に消えていった。

 俺もすぐにその場を離れたけれど、全身が充足感にすっぽりと覆われているような感覚がずっと残っていて、足が地についていない。

 そのあとどうやって自分の部屋まで移動したのか覚えていないほど、新川さんと交わした会話のひとつひとつで脳裏が埋め尽くされていた。
 
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