凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 私は着替えて化粧をするだけなので、少しのんびりしようと部屋に備え付けてある電気ポットでインスタントコーヒーを入れる。

 猫舌ですぐには飲めないので、白い湯気が立つカップを持ったまま窓際まで歩き、カーテンをシャッと開けた。

「いい天気」

 青さがどこまでも続く空を眺めて今日は暑くなりそうだと目を眇めた。

 椎名さんは飛び立った頃だろうか。この空ならフライトもしやすいはず。そういえば時刻を確認しただけでメッセージなどをチェックしていない。

 レースカーテンを閉めて窓際のテーブルにカップを置き、ベッドに放置したままだったスマートフォンを持ち上げる。

 画面を表示させてみれば、メッセージアプリに新着のお知らせがあった。

 急に心臓がドキドキと早鐘を打つ。送り主は期待通り、椎名さんだった。

【昨日はありがとう。起きたら連絡をください】

 文面に目を落としたが内容が頭に入ってこず何度も読み返す。

 起きたら連絡をくださいって、どうして?
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