凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 正面に座る姉はすっぴんだが、ハーフのような整った顔立ちなので普段とさほど変わらない。私も派手な顔立ちではあるが、姉の方がより外国人のような雰囲気がある。

 黒目が大きい私とは違い、姉の瞳はオレンジ色に近い明るい茶色というのがそう見えさせているのだろう。

 私はずっと、内面から滲み出る美しさが魅力の姉に憧れていた。

 両親が離婚したときすでに母方の祖父母は他界していた。母親は東京にいる自身の兄を頼って上京したので、私が気軽に頼れる親戚はいなかった。

 そのためひとりで過ごす時間の多さからくるコミュニケーションの不慣れさで、内気で引っ込み思案な性格になり、友達を作るのがとにかく苦手だった。

 さらに容姿のおかげで内面もキツイのだろうと誤解され、いつもひとりでいる私は『声を掛けづらい』と周りで言われていた。

 でも姉は違う。友達が多くずっと人気者だった。
< 57 / 248 >

この作品をシェア

pagetop