凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
ロンドン・ヒースロー空港に到着したのは、約十二時間三十分のフライトを終えた十六時ジャスト。
サマータイム中であるロンドンと日本の時差は八時間。日本の方が進んでいる。
簡単な報告を済ませ紺野と今日の振り返りを行い、一時間ほどしてからホテルに向けて出発した。
このあとの予定があるのでバスのなかではたわいない話をしてやり過ごし、ホテルに到着後部屋に荷物を置いてすぐに男ふたりで外に出た。
紺野が以前利用した際にすごく雰囲気がよかったというbarへ行き、まずはグラスを合わせて乾杯する。
長時間コックピットで過ごしていたので身体が少しだるい。そこまで食欲がないので、効率的に栄養がとれるように肉料理をいくつか注文した。
「それで、ネックレスの贈り相手って誰なんですか」
紺野がようやく聞ける、という雰囲気を醸し出している。そんなに俺の恋愛事情が気になるのか。
「最近親しくなった女性だ」
目を見開いてあからさまに驚いた様子の紺野を見据え、カウンターテーブルに頬杖をついた。
「そんなに意外か?」
「意外ですよ。椎名さんって女性に興味あったんですね」
「なんだそれは」
聞き捨てならない台詞に眉間に皺を寄せる。