凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「そのためには、椎名さんと同じように恋愛をせず、ストイックな仕事人間にならないといけないと考えていました」

「それは関係ないだろう」

 すぐさま首を横に振ると、紺野は「でも」と食い下がる。

「実際、プライベート時間のほとんどを勉強や身体づくりにあてていたから、今の椎名さんがあるんですよね」

「そうだけど、別にあえて恋愛をしなかったわけじゃない。そう頭でっかちになるなよ。息抜きは必要だし、疲れているときに恋人に寄りかかるのもいいと思うよ」

 俺の発言がよほど意想外だったのか、紺野は口を半開きにしたまま固まった。

「三十四歳になって浮いた話のひとつもないから、女性に興味がないと思われていたんだろう? むしろそっちの方が問題ありじゃないか?」

「いやいや、問題があるとは誰も言っていないです」

「そうか」

 否定されて胸を撫で下ろす。おかしな噂が立ったら新川さんの耳にも届いてしまう。
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